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本当に子どもの力は凄いと感じる日々です。
この子は6か月頃よりお母さんとともに出勤しています。
認知症などによって記憶が保てない方でもこの子の事はしっかり覚えている方が多いです。
先ずこの子の存在に気付くと皆の表情が一瞬で明るくなります。
そして、皆さん思い思いに世話をし始めます。抱っこしてあげようとする方、おもちゃを探して渡してあげる方、子供が泣きそうになっているとお母さんを探してあげようとする方など。職員が手伝ったりしている時は畳に座るのを「体がえらいから」とソファや椅子に座る方も自然と床に座って目線を合わせておられます。力や意欲を引き出している結果です。
そのような日々を一緒に過ごさせてもらっていると、「認知症」やら「病気」などは関係なく、それぞれが「お世話する」「面倒みる」しっかりとした優しい表情。
「利用者」ではなく、ただの良いおじいちゃんおばあちゃんです。
子供の力には到底及びませんが、支え合いや手助けをごく自然にしあえる場面をたくさん作っていけたらと感じます。
デイサービスおかげさんでは、「出来る限り自分でする」→「無理なら仲間に助けてもらう」→「それも無理なら職員が手伝ってする」ことを大切にしています。
介護職員は、「利用者の安全のために」となんでも自分たちが手伝って助けてしまいがちやと思います。もちろん、リスクを考えると職員がするのが1番安全かもしれませんが、
それ以上に自分で出来た自信であったり、仲間と助け合える関係性があることが素敵な場面だと思っています。
介護職員は、利用者が自分でするために危険な箇所、支えが必要な場面を把握した上で、
適切な距離感を持って見守ることであったり、職員以外の他者との繋がりを築く為の場面やきっかけ作りを行う事が重要で、おかげさんでは、そのような力を高めていきたいです。
写真は、デイに到着して車から降りて玄関へ歩いているところ。
足元に不安のある女性利用者を人付き合いは苦手だが健脚の男性利用者が自然と手を引いてあげています。この男性はまだ利用し始めたばかりで、他者と過ごしたり交流することは好きでないと思っていましたが、こうやって自然と人に手を差し伸べることが出来る方ということが分かり、また職員のみならずおかげさんに集う皆が自然と支えあえることで、この男性含め自分の居場所になっていくのかなと。
何気ない場面ですが、ただ「微笑ましい」とか感じるのではなく、
そのひと場面に色んな思いを馳せられる職員集団でありたいと思います。
この男性、当事業所がオープンして早い段階から利用されている方なのですが、
入浴が目的であることや本人の生活リズムもあり午後に迎えに行き、3時間程でお送りしています。
ある時、いつものように迎えに行き、事業所へ向かう車内で「スーパーで椎茸買いたい」と言われましたが、それは難しいことを伝え事業所へ行きました。しかし納得しておらずなかなか事業所の中へ入りません。よくよく話を聞いていると、職員や他の利用者の為に、料理を振る舞おうと考えておられたことが分かりました。
普段口数が少なくて意思を伝えてこられることがあまり無いこの方ですが、以前に職員と話していて横浜で中華料理屋の料理人をしていたという話をしており、事業所の事、職員の事、他利用者の事を考えながら人知れず計画を練ってたんだなぁと思うと、その温かさがとても嬉しい!!
ということで、ケアマネさんにも了承いただき、その日は早めに迎えに行って頼まれていた食材を買い、いざ調理!昔のように!とはいかないとは思いますが、それでも具材の下準備、味付け等全ての工程をされ、完成!
ご本人「30点」とのことでしたが、皆からは大好評。「美味しい」と口々に言われる声を聴いておられ、嬉しそうな表情でにっこりされていました。
「おかげさん」はデイサービス。なので介護保険のもと、様々な縛りの中運営しています。しかし、それだけでは支援出来ない方、自立支援や生き甲斐に繋げられない方も多くおられます。制度ありきではなく、その人1人を見て、その人が他者とともに協力し合いながら生きていける、そのきっかけを作れるよう今後も楽しみながら皆で過ごしていきたいと思います。(そのために、当事業所では自費での柔軟な支援が出来るよう準備しています。)