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おかげさんの子供たち

デイサービスおかげさんでは、職員は子供を連れての出勤が可能です。

可能どころか大歓迎!!

それには以下のような思いがあります。

① 職員の働きやすさ

子供を理由に仕事が出来なかったり仕事をセーブせざるを得ないお母さんは多くいると思います。今は多くの業界で人手不足。働きたいお母さんと働き手が欲しい会社との双方にメリットがある。

② 子どもへの影響

子供は元気なので時にはしゃぎ過ぎたりもします。それを親だけがヒヤヒヤしながら見守ったり言い聞かせたりするのではなく、経験豊富な利用者が注意したり他の職員が注意したり、もちろん怒られるだけでなく世代を超えて一緒に遊んだり、そういう時間の積み重ねで、子どもにとっては「自分のことを気にかけてくれる人」が増え、豊かに育まれるのではないかと思います。

③ 利用者への影響

前述しましたが、親はやはり迷惑をかけないか心配します。でも利用者のほとんどが子育て経験者です。抱っこする力がなくても自分に出来る方法で子供をあやしてくれています。

利用される方の中には色々な方がいて、中には「家族に迷惑をかける」「何も出来なくなってしまった」と自信を失っている方もいます。でも子供を前に見せる表情は、自信のなさではなく、世話する人の表情になります。

「おかげさん」を表す大切な場面になっています。

*写真は、みんなでおやつを食べている場面、卓球やボール遊び、小さな働き手です。

久々のブログ更新

9月に更新して以降だいぶ長く更新出来ていませんでした。

あるご家族より、「もう辞めましたん?私に無断で!笑」とのお言葉を頂き、こんなブログでも見てくださっている方はいるのだと慌てて更新!笑

写真のO様。

おかげさんの将棋王として過去のブログにあげていますが、

将棋だけではありません。頼めばなんでもしてくれます。そして出来ます。

「ご飯よそう人がいないらしいです。」とか「サンマを上手に焼ける人募集中です」と話すと、「わしにせえってか?!笑」と快く(?!)引き受けてくださいます。

このO様、とても楽しい方で奥様思いの方です。

いつも作業を終えると、「また奥さんにPRしといてな!あっ、でもあんまりPRしてもらったら何で家では何もしないねんって怒られそうやし程々に頼みますわ!」と話されます。

それをそのままお送りした際に奥様にお伝えすると、やはり「家では何もしませんねん。」と奥様。

本当にいつも互いに思い合う素敵なご夫婦です。そして夫婦漫才をこれからも楽しみにしています。

はや10か月・・・

本当に子どもの力は凄いと感じる日々です。

この子は6か月頃よりお母さんとともに出勤しています。

認知症などによって記憶が保てない方でもこの子の事はしっかり覚えている方が多いです。

先ずこの子の存在に気付くと皆の表情が一瞬で明るくなります。

そして、皆さん思い思いに世話をし始めます。抱っこしてあげようとする方、おもちゃを探して渡してあげる方、子供が泣きそうになっているとお母さんを探してあげようとする方など。職員が手伝ったりしている時は畳に座るのを「体がえらいから」とソファや椅子に座る方も自然と床に座って目線を合わせておられます。力や意欲を引き出している結果です。

そのような日々を一緒に過ごさせてもらっていると、「認知症」やら「病気」などは関係なく、それぞれが「お世話する」「面倒みる」しっかりとした優しい表情。

「利用者」ではなく、ただの良いおじいちゃんおばあちゃんです。

子供の力には到底及びませんが、支え合いや手助けをごく自然にしあえる場面をたくさん作っていけたらと感じます。

事業所に到着!

デイサービスおかげさんでは、「出来る限り自分でする」→「無理なら仲間に助けてもらう」→「それも無理なら職員が手伝ってする」ことを大切にしています。

介護職員は、「利用者の安全のために」となんでも自分たちが手伝って助けてしまいがちやと思います。もちろん、リスクを考えると職員がするのが1番安全かもしれませんが、

それ以上に自分で出来た自信であったり、仲間と助け合える関係性があることが素敵な場面だと思っています。

介護職員は、利用者が自分でするために危険な箇所、支えが必要な場面を把握した上で、

適切な距離感を持って見守ることであったり、職員以外の他者との繋がりを築く為の場面やきっかけ作りを行う事が重要で、おかげさんでは、そのような力を高めていきたいです。

写真は、デイに到着して車から降りて玄関へ歩いているところ。

足元に不安のある女性利用者を人付き合いは苦手だが健脚の男性利用者が自然と手を引いてあげています。この男性はまだ利用し始めたばかりで、他者と過ごしたり交流することは好きでないと思っていましたが、こうやって自然と人に手を差し伸べることが出来る方ということが分かり、また職員のみならずおかげさんに集う皆が自然と支えあえることで、この男性含め自分の居場所になっていくのかなと。

何気ない場面ですが、ただ「微笑ましい」とか感じるのではなく、

そのひと場面に色んな思いを馳せられる職員集団でありたいと思います。

夏野菜の片付け

おかげさんにある小さな畑。

トマトがまだ残っていましたが、利用者より「もうぼちぼち片付けや」と言われ、

片付てくれました。それを手伝う方、窓側から見学する方、何もしない職員(笑)

ありがたいです。おかげさんでは、自由な時間を過ごせます。何年も生きてきた方々がここに来て、決められた時間に決められた事をさせられているのは自分なら嫌だ。

1つ1つ職員が何か働きかけないと何もしない状況・環境ではなく、誰かが何かし始めたら一緒にしてみたり、見に行ってみたり、自宅ではなかなか味わえない他者の存在、繋がりによって過ごし方は無数です。

元料理人の方が・・・

この男性、当事業所がオープンして早い段階から利用されている方なのですが、

入浴が目的であることや本人の生活リズムもあり午後に迎えに行き、3時間程でお送りしています。

ある時、いつものように迎えに行き、事業所へ向かう車内で「スーパーで椎茸買いたい」と言われましたが、それは難しいことを伝え事業所へ行きました。しかし納得しておらずなかなか事業所の中へ入りません。よくよく話を聞いていると、職員や他の利用者の為に、料理を振る舞おうと考えておられたことが分かりました。

普段口数が少なくて意思を伝えてこられることがあまり無いこの方ですが、以前に職員と話していて横浜で中華料理屋の料理人をしていたという話をしており、事業所の事、職員の事、他利用者の事を考えながら人知れず計画を練ってたんだなぁと思うと、その温かさがとても嬉しい!!

ということで、ケアマネさんにも了承いただき、その日は早めに迎えに行って頼まれていた食材を買い、いざ調理!昔のように!とはいかないとは思いますが、それでも具材の下準備、味付け等全ての工程をされ、完成!

ご本人「30点」とのことでしたが、皆からは大好評。「美味しい」と口々に言われる声を聴いておられ、嬉しそうな表情でにっこりされていました。

「おかげさん」はデイサービス。なので介護保険のもと、様々な縛りの中運営しています。しかし、それだけでは支援出来ない方、自立支援や生き甲斐に繋げられない方も多くおられます。制度ありきではなく、その人1人を見て、その人が他者とともに協力し合いながら生きていける、そのきっかけを作れるよう今後も楽しみながら皆で過ごしていきたいと思います。(そのために、当事業所では自費での柔軟な支援が出来るよう準備しています。)

思い思いに・・・

おかげさんを利用されている方の過ごし方の1部を紹介します。

写真1枚目はおやつにかき氷を作っている場面

2枚目は観葉植物を剪定

3枚目はデッキで新聞を読まれている場面   です。

どう過ごすかは決まっていません。

職員が利用者全員を集めてレクリエーションを提供することはしません。

利用者が受け身で、「自宅では何もせず過ごし、デイに来て予め決められているレクに参加して遊ぶだけ」では、その方の人生もったいなすぎる!と勝手に思っています。役割を担いながらどう過ごすかは話しながら決めていきます。

新しい事を覚えることで新たな楽しみが見つかる事もありますが、それ以上にこれまでの経験でしてきたことを発揮出来る場所があって、それによって他者から感謝されたり交流が生まれること、それがさらなる意欲を引き出すことを目指しています。

高齢や認知症、その他の病気などによって、かつて誇りを持ってしてきたことも出来なくなることが多いですが、その多くは「出来ない」のではなく、「する場」又は「したいと思える場」を失っていることが要因ではないかと思います。それを自宅でするのは大変。

自宅内に限らずとも生活の中で、自信を持って過ごせる場や時間があることで、日々の生活を心豊かに穏やかに過ごせるのではないでしょうか。

おかげさんの昼食作り

おかげさんでは、朝に昼食の献立を皆で決め、必要なものをスーパーへ買い物に行き、

利用者と職員で作っています。やはりこれまで主婦をしてきた女性利用者は手際良く作って下さり、職員以上に主体となって調理されています。

でも、男性もただ完成を待っているだけではありません!昔は調理していた方もいるし全くしたことない方もいます。それでも周りが頑張ってる場面を見ると、何かしようと台所に来て下さることも多くあります。

これまでしてきた家事や趣味を継続出来ることも大切、でもこの場所だからこそ慣れないことに取り組まれる姿もとても素敵です。

「自分らしく」生き続けてほしい。でも「新たな自分のひと場面」に出会うことも本人・職員ともに嬉しいことだと感じさせてもらえます。

「家」「1人」ではそうはいきません。馴染みの場所、馴染みの人たちがいるからこそ「誰かの役に立ちたい」という気持ちが芽生えます。そうしてみんなが自分に出来る事をしながら支え合うことが「おかげさん」の目指す場面です。

将棋王!

来て下さっているOさんは将棋が強くてお好き。

また、話しかけてもすぐに面白い冗談で返答され、頭の回転が速い方です。

そんなOさんの写真を観ていたら、餃子を並べる右手すら将棋を指しているように見えてきます。笑  将棋をしていると、いろんな話をして楽しませてくださいますが、餃子を並べる時には、「こんなんやったことあらへんで」と困り顔ながらも快く引き受けて下さる優しいOさんです。

場面作りって難しい

おかげさんでは、出来る限り職員だけでバタバタする場面をなくしたいと思っています。

自分が利用者なら、忙しそうにバタついている職員を横目に何もせず過ごす時間って苦痛やし、利用される目的は人それぞれですが、利用するからにはこれまでの経験やその人の持つ優しさとか良い面が発揮でき、それにより人の役に立つ・自信を持つことが出来る場面作りが必要だと思います。家族支援の為の預かり施設ではなく、今後も自宅で生き続ける為の英気を養うような場所にしたいと思っています。

写真ですが、利用者さんが洗濯物を干している場面です。

でも、この方、数分前までは写真の手前に写っているソファで寝てました。

職員は、物干しと干す物が入った籠を本人が目を開けたときに気付くような位置に置いておいただけです。人から頼まれても同じことをしてくださいますが、こうやって誰からも言われずに自分で気付いて行動に移せることってとても重要だと考えます。

おかげさんでは、職員がお願いしたり直接働きかける前に、本人が自ら動けるような環境つくり、場面つくりを増やして行きたいなぁと思っています。